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「ガンに鍼灸、東洋医学 ⑤」

前回からの続きです。なるべく①からご覧ください。

前述の通り、このシリーズでは、
・現時点での見解
・病院に通いながら東洋医学にかかりたい方のご決断の参考になる、西洋医学と東洋医学の併用の可能性や上手な受け方のヒント

に、テーマを絞らせていただきます。
また、ここでいう東洋医学とは、中国医学をもとに、中国はもちろん、日本や韓国に広まってその国に合わせて発展した医学です。薬膳、鍼灸、あん摩マッサージ指圧、漢方薬、吸い玉等を使用した東アジアの伝統医学です。

今回は、前回予告した通り、東西医学書の目次や索引について、です。
結論から言うと…分類や命名の仕方はその学問の肝腎要でもあるので、東西両方の医学書の目次や索引をざっと眺めただけでそれぞれの学問の思考回路を大まかに知ることができ、簡単に違いが分かります。

西洋の医学書では、前回と重なりますが、具体的な人体の敵についての病名が多いです。
・菌やウイルス、アレルゲン
・寄生虫
・平均的な数値から外れた検査値があること
・環境汚染や自然のものも含め毒物が体内に入る中毒
・過剰摂取や依存症による中毒
・器質性疾患(器官が変形、変質すること)
…がほとんどです。原因も対策も明快です。例えば、狂犬病の動物に噛まれて、すぐ薬を使えばいいけれど、放っておくと発症し、死に至るような時や、アナフィラキシーショック(ひどいアレルギーによる危機)で生死の境を彷徨うような時には、対処法がシンプルなので、とてもありがたい医学です。薬や機材があればスッキリ解決できる頼もしいものです。スピ―ド勝負にも強いです。

一方で、
・機能性疾患(働きが弱かったり、逆に強すぎること)
・症候群(はっきりと病名はつけられないものの確実に起きている状況や状態。数値にも出ず物質的な変化もあまりないので断言しにくいもの。例えば、月経前症候群⦅PMS⦆なら読んで字のごとく生理前の数値化できない様々な辛さが心身両面で存在する、ということですし、
ストックホルム症候群なら、誘拐されたり何かひどい目にあった人が、なぜか加害者にしがみついたり、時には愛してしまう、という数値化が難しく原因物質も未知の状況です)については、ほんの少しの記述です。原因も対処法も結果も曖昧なままです。

一方東洋の医学書の目次や索引では、とにかく人体はどうなっているのか?というネーミングばかりです。五臓六腑や体の部分のうちいずれか一つ、又は二つくらいが、ああなっている、こうなっている、という記述ばかりです。人間や生命の力、健康が主役です。

例えば…
・心血虚(心⦅しん⦆に血⦅けつ⦆が足りない)とか
・肝気犯胃(ストレスで肝の気があふれて胃を攻撃する)とか
・上熱下寒(上に熱がこもり下が冷え、体内で熱と冷えがバランスをくずしてしまっている)
という状態イコール病名や症候群のようなものです。これを「証」と言います。特定の菌などはなく、あってもあまり気にせずこれこれの条件がそろったら「○○○○証」と決定するので、西洋医学の症候群に近いかもしれません。

臨床では西洋医学の病名がついた患者さんでも東洋医学による分類をして対処します。なので、西洋医学で同じ病名がついた二人の患者さんがいても、東洋医学による見立てで違う体質であれば全然違う方針の漢方薬が出ることもあるのです。

病因もシンプルでナチュラルです。外因、内因、不内外因があります。

自然現象を病因とする場合でも、自然を悪者にするのではなく、人体が弱っていたり、沢山受けてしまって人体に悪影響が出た時だけ、邪と呼びます。外因はこれだけです。
風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪の六つが基本です。六淫(りくいん)と言います。

また、極端な感情も病因として認めていますが、これも、ストレス源を悪者にするというよりは、その感情とセットの臓腑をいたわり強くする方に力を注いでいます。
例えば、腹が立ったら肝をいたわります。怒、喜、憂、悲、思、恐、驚、これを七情と呼び、これが内因です。

また、不内外因(内因でも外因でもないもの、どちらともいえないもの)には、飲食物の質、量、摂る時間の不摂生、活動や休息、睡眠の過不足、房事(性交渉)過多、外傷を受けること、等があります。これらもまた、あくまでも本人の責任とか状態に過ぎません。敵対する相手や物質が具体的に存在するわけではないのです。本人がダメージを受けた時だけ病因としてあつかうということです。

なので…まとめると、
○人工的で敵を倒すのがうまいのが西洋医学です。今、日本で大抵の人が病院でかかれるのはこちらです。
○自然の力や人体の治る力をシステム化し、人間のこころ、からだ、あたまを強化するのがうまいのが東洋医学です。

次回は西洋医学的イメージ療法と東洋医学的イメージ療法の違いについて、です。お楽しみに!!

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プロフィール

やわらか堂

Author:やわらか堂
小関理恵(こせきりえ)
鍼師、灸師、
あん摩マッサージ指圧師

  • 1995年上海中医薬大学
    (WHO指定研修先)にて中国鍼短期研修
  • 1996年東京医療専門学校卒業、鍼・灸・あん摩マッサージ指圧師資格取得
  • ハートと虹色の画家
  • 癒しのライター

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